2026.09.14

3DEXPERIENCE CATIA Knowledge CATIA V5との違い|MESの追加機能例

「同じ作業なのに、やりやすい」と感じる理由

前回のコラムでは、MESに含まれる主なAppsの違いを中心に、CATIA V5から3DEXPERIENCE CATIAへの進化を紹介しました。
今回はその続編として、「設計者が日常的に行っている作業」において、どのような追加機能・改善点があるのかを具体例で見ていきます。

MESの追加機能は、派手な新機能というよりも、

  • 手間が減る
  • 失敗しにくくなる
  • 後工程を意識した設計がしやすくなる

といった 「設計のやりにくさ」を解消する方向で強化されています。

本コラムでは、CATIA V5との違いという視点で、MESに含まれる代表的なAppsを紹介します。

フィレット機能の強化

「付けられる」から「意図どおり付けられる」へ

3DEXPERIENCE CATIA MESでは、フィレット機能が大きく強化されています。

徐変フィレット 保持するエッジの指定

CATIA V5では、徐変フィレットを作成する際に、意図しないエッジまで影響を受けてしまうケースがありました。

MESでは、「保持するエッジ」を指定できるようになり、

  • 変形させたくないエッジを保持
  • 影響範囲をコントロールした徐変フィレット作成

が可能になっています。

これはCATIA V5では、HD2単体では利用できず、CFO(PartDesign)やGSO(GSD)といった追加ライセンスが必要だった機能です。

自動フィレット

付け忘れを防ぐ

自動フィレット機能もMESに統合されています。
指定した条件に基づき複数エッジを一括でフィレット処理できるため、細かいエッジのフィレット付け忘れ防止に効果的です。
設計品質のバラつきを抑えるという意味でも、CATIA V5より実務向きに進化しています。

ボリュームの作成(GSD)

立体形状を直感的に作成

Generative Shape Design(GSD)では、複数の方法でボリューム(立体)を作成できる機能が追加されています。

  • 押し出し
  • 回転
  • 複数セクション
  • スイープ

これらを用いて、サーフェスを基にした立体形状を直感的に作成できます。

CATIA V5では、サーフェスとソリッドの行き来に手順や工夫が必要な場面もありましたが、MESではそのハードルが下がっています。
CATIA V5では追加ライセンス(GSO)が必要だった機能ですが、MESでは設計段階で自然に使える機能として統合されています。

ウォールの厚み解析

「作れる」だけでなく「作れる厚みか」を確認

PartDesignには、ウォールの厚み解析(肉厚解析)が追加されています。

  • スフィア法
  • レイ法

のいずれかを選択し、ソリッドモデル全体の厚み分布を可視化できます。

例えば、

  • 樹脂成形部品の薄肉チェック
  • ヒケ・ショート防止の事前確認

といった用途に有効です。

CATIA V5では追加ライセンス(CCV)が必要だった機能ですが、MESでは設計段階で自然に使える機能として統合されています。

スケッチでのテキスト作成

文字情報をそのまま形状検討に活用

MESでは、スケッチ上でテキストを直接作成できるようになりました。

  • 直線
  • 非正規エレメント

に沿って文字を配置可能で、Windowsフォントを使用できます。

テキストは線・曲線要素として扱われるため、細かな編集はできませんが、

  • 型彫り文字
  • 表示用刻印
  • 簡易マーキング

など、形状検討段階では十分実用的な機能です。

ワイヤーを使った切断機能

パーティングライン作成をシンプルに

PartDesign / GSDでは、ワイヤーフレームを使用してソリッドやサーフェスを切断する機能が追加されています。

1枚のパッチを複数に分割できるため、

  • パーティングライン作成
  • 領域分割を前提とした設計

といった作業がスムーズになります。

新・探索(選択)機能

「選びにくい」が大幅に改善

MESでは、探索(要素選択)機能が大幅に進化しています。
これは、3DEXPERIENCE基盤(いわゆるシルバーレイヤー)で提供されていた探索機能と同等の操作感を、CATIA上でも実現したものです。

主な改善点

  • 境界ボックス内/外での要素選択
  • 交差要素のみの選択
  • 表示状態の一時保存・復帰
  • コンテキストツールバーによる直感的操作
  • 立体選択モード
  • 球選択モードスライダーモード
  • マニピュレータによる移動・回転

など、視認性と操作性を重視した選択補助機能が揃っています。

大規模モデルや複雑形状ほど、CATIA V5との差を実感しやすい改善点です。

MESの追加機能が示す「設計の考え方の変化」

今回紹介したMESの追加機能は、どれも単独では「細かな改善」に見えるかもしれません。

しかし実際には、

  • 失敗しにくい
  • 意図を保ちやすい
  • 後工程を意識しやすい

という方向で、設計プロセス全体を底上げする機能として効いてきます。

CATIA V5で感じていた「できるけれど、少し面倒」「知っている人しか使えない」といった設計の属人性を減らすことができます。
それが、3DEXPERIENCE CATIA MESにおける追加機能の本質的な価値と言えます。

動画 MESの追加機能例

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