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今すぐできる!開発効率向上対策 【第2回】繰返し作業の自動化による詳細設計作業の効率化

今すぐできる!開発効率向上対策

海外設計・製造業務の早期立ち上げ、技術開発力強化、技術伝承、環境対応などの要求が高まる一方、情報漏えい対策、開発・製造履歴管理と追跡、技術者の引退など開発業務負荷が増加傾向である昨今、これまで以上に開発効率向上が求められています。開発効率が向上することで、革新的な製品開発やプロセス改革を、今あるリソースで確実に実行できることが期待されています。

本連載コラムでは開発効率向上に着目し、よくある開発作業を取り上げ、担当者が「すぐできる」、「すぐ効果を出せる」方法や道具を紹介していきます。

第2回 繰返し作業の自動化による詳細設計作業の効率化

開発期間短縮やコスト削減をしながら要求仕様を満たすことは、設計者の重要な目標です。その手立てとして設計作業の効率化があり、その中のテーマとして「繰返し作業の削減」が挙げられます。

連載コラム第1回目は、設計変更内容の確認作業に着目した速くて正確な形状比較について紹介しました。第2回目は、詳細設計時に行われる繰返し作業に着目し、「繰返し作業の自動化」によって、より多くの思考時間の確保、代案検討の充実、仕様変更対応時間の短縮を狙った方法と道具をご紹介します。

詳細設計時の繰返し作業

設計をしていると、穴やボスなどの同じ形状を複数配置する(描画する)作業など、"同じ作業の繰り返し"と感じることがよくあると思います。中には、マクロなどの専用プログラムを作成し、繰返し作業の自動化を行っている企業もあります。

一方で、いわゆる「形状の繋ぎ部分」など、それぞれの場所に合わせて整える必要があったり、"ここだけは違う仕様にしたい"など、配置した後から個別に変更が必要なケースも多いのではないでしょうか。つまり、繰返しと個別変更を組合わせた作業を、設計者は日々行っていると言えます。

自動化の課題

繰返し作業が自動化された時の効果の一つとして、配置(描画)時間の短縮があります。また、自動化されることで作業ミスが排除されることや、自動化の過程で仕様決定手順の標準化がなされるなどの効果が挙げられます。

一方で、個別変更作業は定形化が難しいため、自動化そのものが困難なケースがほとんどです。また、個別変更作業は寸法を定義するために、先に形状を描いて様々な要件を考慮して検討するケースが多く、数式計算だけでその作業を完結させることが難しいことが挙げられます。

従って、自動化にあたり形状編集の作業性向上も考慮できるか否かで、詳細設計作業の実質的な効率が左右されると言えるわけです。

繰返し作業と個別検討作業の両立

CATIA V5のメカニカル・デザイン2(MD2)、ハイブリッド・デザイン2(HD2)を利用している場合、「ナレッジ・アドバイザー2(KWA)」と「プロダクト・ナレッジ・テンプレート2(PKT)」を追加することで、繰返し作業の自動化と個別変更作業の効率化を図ることができます。

「ナレッジ・アドバイザー2(KWA)」は、設計手順を電子化する機能群が備わっているワークベンチです。設計手順の電子化の例として、繰返し作業の自動化、条件判断、幾何情報や解析結果の数値を用いた計算、計算結果を用いた幾何形状の自動変更などがあります。「ナレッジ・アドバイザー2(KWA)」は、これら設計手順(ルール)の電子化(モデル化)と実行の両方の機能が備わっています。

「ナレッジ・アドバイザー2(KWA)」の中に、繰返し作業を自動化する機能として「ループ」があります。「ループ」は、「決められた作業」を指定した回数繰り返す機能です。また、複数の点や面などを1つのまとまりとして扱える「リスト」という機能があります。例えば、下図のように10個の配置点のリスト(ここではPoint_Listという名前を付けています)を作ることで、これらの点を"配置点"として処理できるだけでなく、点の数(サイズ)も認識きます。

リスト

「ループ」と「リスト」を組み合わせることで、配置場所の選択と繰返し回数を自動で処理することができます。

「決められた作業」の例として、CADのパラメータを利用した設計計算や、あらかじめ定義しておいた形状を複数の場所に配置するなどが挙げられます。形状を複数の場所に配置する作業を例にとると、配置する形状を選択し、その形状の配置基準を選択した後、配置される側の配置基準を選択するなどが挙げられます。配置基準も縦、横、角度など指定する為に複数の基準を選択する必要があります。この作業を配置する個数分行う必要があるので、自動化による効果は掛け算で増加していきます。

加えて、この機能はCATIA V5の中で実行されますので、使う方法によっては配置後の「形状の繋ぎ部分」の編集も半自動的に処理することができます。さらに、配置する形状の中に「設計手順」を取り込んでおくことで、更に詳細なレベルの自動化を行うことができます。つまり、個別変更部分の作業性向上を図ることができるわけです。

下図(レイアウト前)のカバー部品をご覧ください。ここではカバー部品の内側にタップ穴のボスと、相手部品の爪の受け部を配置する例を示します。タップの位置は赤い点で、爪受け部は緑の点で示されています。これらにタップ穴ボスと爪受け部を配置してレイアウトを確定していきます。

レイアウト前 レイアウト後

初めに、タップ穴ボスと爪受け部を事前に定義しておききます。タップ穴ボスモデルには複数のタップの呼び径、タップ呼び径に応じたボス径の自動計算、ボス底面の形状の繋ぎ部分の自動作成が定義されています。

タップ穴ボスの事前定義モデル

爪受け部も事前定義しておきます。このモデルの内には相手部品の爪との取り合い、カバー板厚、配置高さの変更に対応した「設計手順」が定義されています。

爪受け部事前定義モデル 爪と受けの取り合いの定義

そして、これらのモデルを「プロダクト・ナレッジ・テンプレート2(PKT)」の"ユーザーフィーチャー"コマンドを使ってひな形にします。

つまり、これら事前定義モデルは「電子化された設計手順」です。これらを設計者全員が利用することで、部署全体で設計手順が遵守されることになります。

今回の例では、「ループ」を使ってこれらのモデルをカバー部品に定義した赤い点と緑の点の数分だけ自動配置します。配置後、形状の繋ぎ部分はCATIA V5が自動的にモデリングを行います。

「ループ」の中には「決められた作業」の定義が記述されています。どの「リスト」を見るか、どの事前定義モデルを配置するか、配置の上下面、カバーの板厚などが記述されています。「ループ」はこの例ではカバー部品内に定義してあります。
設計者の作業は、まず、カバー部品内側のタップ穴ボスと爪受け部の配置位置を大まかに定義します。続いて、配置位置(この例では点)をリストに登録します。そして、「ループ」を活動化します。すると、「ループ」に定義されている「決められた作業」が自動的に実行されます。

ループの実行 自動配置後

自動配置後は個別部位がフィーチャーとして記録され、その後の個別変更を容易にします。例えば、タップ穴ボスの位置を変更しながら、タップの呼び径を大きくしたいケース。配置点は周囲の形状を見ながら設計者の判断で変更します。位置を決めると、ボス底面を含めた形状の繋ぎ部処理を自動で行います。加えて、配置したタップ穴ボスには事前に複数のタップ呼び径が定義されています。その中から別のタップ呼び径(この例ではM8からM14)を選択することで、タップ呼び径の変更、それに応じたボス径変更が自動で行われます。

配置点の変更 タップ呼び径変更 個別変更対応後

「決められた作業」の定義には、幾何形状を選択しながら作成するプログラムを用います。プログラムと聞くとキーボードを手打ちして書き込む難しいイメージを思い浮かべると思います。しかし今回の配置のように、ほぼ書式が決まっていて、他への転用が簡単なケースもあります。

【詳細PDF】ナレッジ・アドバイザー2(KWA)の繰返し作業自動化への活用例

ナレッジ・アドバイザー2(KWA)の繰返し作業自動化への活用例の活用例ホワイトペーパーにつきましては、下記フォームを入力の上、ダウンロードページより詳細PDFを入手ください。

※特集記事「今すぐできる!開発効率向上対策 第2回 繰返し作業の自動化による詳細設計作業の効率化」は、ダッソー・システムズ株式会社 公式ブログに掲載されている記事です。

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